『時をかける少女』


コミティアの帰りに渋谷で観てきた.立ち見はもう出てなかったようだけどシートはほぼ全て埋まっていた様子.
真琴タンが予想以上におバカで健気で良かった.予告編ではこのあたりぜんぜんわからなかった部分だね.
でも世間で言われているように「泣ける」ということは私にはそれほど無かったように思う.なんていうか,過剰にファンタジーだったので.
初っ端の,男2人に女1人が野球をしている,というその場面から既にファンタジーだった.男子校で暗い高校生活を送っていた私の脳は,そのシチュエーションを「自分の隣にある現実」として受け取るだけの処理能力,つか想像力,が欠如していたらしく,「そんなことは現実にはあり得ませんよ〜,ファンタジーなんですよ〜」と処理してしまったようなのですね.一度そう思ってしまったが最後,明るい学園生活とか,国立博物館の叔母とか,現実の延長として見ることが出来なくなってしまったのですね.結果,面白かったことは躊躇なく断言できるんだけど,なにかが胸に迫るとか,そういった予期していた感覚とはまた違ったものを覚えた.自分にはやって来なかった過去(青春の日々)を求めて劇場へ行ったらファンタジーが出てきた.酒を飲みに高級バーへ行ったら豪華なスイーツが出てきた,みたいな感じか.青春なんてファンタジーよ,て言われればそうかもしらんけどさ.
でも『耳をすませば』をリアルタイムではじめて観たときにはかなりのショックを受けて,一週間くらい硬直した記憶があるので,単に私の感性がダメになってしまっただけなのかもしれない.それはそれで別の意味で切ない.
2度3度観ればまた別の感覚があるかもしれない.機会があるならまた観に行きたいのは確か.
わかりにくいうえに気持ちの悪い自分語りですみません.