殴り書いた

「死」によって全てが無に帰するのはあんまりだ,という主張はまったくその通りと頷けるものだし,自分が死んだところで世界は今とまったく変わらず廻り続けることを想像したのも二度や三度ではない.哀しい,虚しい,ほか色んな感情が湧いてなんとも言いがたい気分になった.私は死にたくない.かといって,「あの世」の存在が死に対する救いになるとは一概には言えないわけで,「死」→「無」というかたちの救済を求めるひとも一定数いるはず.死後にも今の自分と同じパーソナリティ・容姿を持ち,現世の記憶を保つことがどういう意味を持つのか.現世のコピーみたいな町で現世と同じように人間関係を築き現世と同じように生活を続けることにどんな意味があるのか.救いと見るひともいれば,永遠の苦痛でしかないひともいると思う.このへんの価値観は環境とか境遇とか宗教とか民族とか色々なものが絡み合って育つものだろうから一括りで表すにはいささか乱暴すぎるけど.現世と似ているようでどこか間の抜けた天国へ,暢気なまんまで逝けて,この世で悲しんでくれるひとがいる.そんな歩鳥は幸せで,この世でもあの世でもずっと自覚しないまんまかもしれないけど,素直に羨ましいと思えた.やっすい感想だけどね.

それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス)

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