赤井紅介 『パーフェクト・ブラッド 1 彼女が持ってるボクの心臓』 (スーパーダッシュ文庫)

「魔法士」が闊歩する現代日本のボーイミーツガール.比較的オーソドックスな異能バトル.
前作はあまり好きではなかったのだけどこれはわりと良かったかな.感情の揺らぎが急激過ぎるとかその他大勢の友人たちが見分けが付かないとかバトル部分の迫力が力の規模に対して弱いような気がするとかやっぱり粗い部分は多いんだけど,ゆるい三人の空気や時折挟まれる気障ったらしいテキストセンスは悪くない.皮肉なんかじゃなくてね.「わたしは世界を変える女よ?」なんて平然と言い放つ自信に満ちたヒロイン.カッコ良過ぎるじゃない.「魅了されてしまう。ぼくはこの魔女に、新たな魔法をかけられてしまったのかもしれない。──これだから魔法士ってやつは油断がならない」.キュンときちゃうじゃない.……こないかな?
なんだかケチばっかつけちゃったけど成長の跡は見えるし,私はわりと楽しく読めた.ゆるゆると続きを待ちたいと思う.