虚淵玄 『ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ』 (ガガガ文庫)

ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ (ガガガ文庫)

ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ (ガガガ文庫)

虚淵玄による同名コミックの小説化.原作は読んでないんですごめんなさいなので細かいネタとか拾いきれてないと思うんだけどまったく気にならず,すっげー楽しかった.メリハリの利いた話運びに銃弾飛び交うアクション,どこを切り取っても痛快すぎる.並行して明らかにされる,それぞれの事情で人生をねじ曲げられた男たちの末路は滑稽で哀しくて,でも最後にはそれぞれの形で救いは用意されている.実に気持ちいい.エンターテイメントはこうあるべきだ.それにしてもシャドーファルコンさんのカッコよさは半端ない.オトコノコなら一度は憧れたであろう夢,それを身ひとつで実現してしまった永遠の少年には憧憬を押さえられない.麻の種をどこで入手すればいいのか分からなかった私がそのまま忘れてきた,子どものころ抱いていたなにかを思い出させてくれた.面白かったです.