横山忠 『警極魔道課チルビィ先生の死神のロジック』 (スーパーダッシュ文庫)

魔法が飛び交うファンタジー世界において,犯罪行為を取り締まる警極魔道課に所属するチルビィ先生 12 歳.まだ小さかったころの彼女は小さな疑問を抱きました.「何で人を殺してはいけないの?」.
第 6 回スーパーダッシュ小説新人賞佳作受賞第二作のドタバタ異世界ファンタジー.テキストが説明的で固くて読みにくい,チルビィ先生はじめキャラクター造型が強引でぎこちなく感情移入しにくい,ほか欠点ばかりが目立った.特に冒頭部と帯で「人を殺してはいけない理由」を問いながらそれを作中に大して活かすでもなく,さらに数百人の市民の死は強く顧みることなく数字以外の何物にも見えないという.キャラクターの語り口調はわりと好きなんだけど,そこだけだった.