おかざき登 『二人で始める世界征服』 （MF文庫J）

二人で始める世界征服 (MF文庫J)

第 4 回 MF文庫J ライトノベル新人賞審査員特別賞受賞作．高校の入学式当日，幼稚園の頃の友だち久喜島千紗と 10 年ぶりに再会した赤尾竜太．図書委員になりｷｬｯｷｬｳﾌﾌな学校生活を送る二人の日常は，千紗が竜太を自分の家に呼んだ日から大きく変化する．そこに待っていたものとは．
「世界征服」の意義がぜんぜん分からないのが最大の問題よなあ．作中でちろっと触れられているけど答えはうやむやにされちゃってるし．粗くてもお約束でもご都合主義でもいいからせめてもうちょい突き詰めて描いて欲しかった．おかげで（両親の悲願とはいえ）世界征服を目論む千紗が頭がかわいそうな子にしかみえないよ．アホの子が氾濫するこの業界といえど，歴史に名を残すアホの子たちは行動原理とか存在意義といったなにかを持っていたわけで，比較するとあまりに弱すぎる．
ところで読み終わってふと思ったんだけど，世界征服と世界平定，どっち描くのがより簡単なんでしょう．