水口敬文 『月色プラットホーム』 (一迅社文庫)

月色プラットホーム (一迅社文庫 み 2-1)

月色プラットホーム (一迅社文庫 み 2-1)

片田舎のローカル線・志ノ電には,真夜中に死者をこの世からあの世へ,もしくはあの世からこの世へ運ぶ幽霊列車が走っているという.噂を確かめるという幼馴染みに付き合って真夜中の駅にやってきた匠海がそこで見たものとは.
深夜に現れる元気な幽霊車掌娘との逢瀬と,これまた元気な幼馴染みとのあれやこれや.比較的お気楽にとんとんと話が進むのでストレスレスで楽しめる.反面で都合よく進めすぎな気もしたけど,この辺は良し悪しかなぁ.幽霊列車のアイデアにしろ夜の駅にしろ幼馴染みにしろ個々のあれこれは好みなだけに,それぞれをもう少し掘り下げて描いてほしかった,てのが正直なところ.まああれだ,元気で前向きな女の子はそこにいるだけでいいものであり(これ書くの何回目だろう),その点では文句なしに良いと思った.