木村航 『コトノハ遣いは囁かない』 (MF文庫J)

コトノハ遣いは囁かない (MF文庫J)

コトノハ遣いは囁かない (MF文庫J)

「ママは言ってた。魔女は眠らない。夢も見ない。なぜなら魔女が夢だから」
つぶやくさらばの言葉に連れて、暗闇に浮かぶ金の火が輝きを強める。
「ありえない夢で形づくられた、ありえない存在。それが魔女」
「でも、きみはここにいる。夢じゃない」
「そんなふうに感じられるだけかもしれない」

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然葉(さらば)は黒いマントと三角帽子とメガホンを備えた,言葉を操る魔女.然葉と真弥,結貴の三人は学園の秘密組織アウェイカーに所属し,人間の欲望が暴走することで生まれる怪物「ナイトメア」と戦っていたのだった.
言葉と夢を操る魔女の「学園マジック・ファンタジー」.学園異能の基本に沿ったストーリーラインはすでに完成していて,これといった目新しさはあまりない.自然,作者がどのようにテキストやキャラクターほかを使って話に肉を付けたか,みたいな読み方になった.そういう視点で見ると,パンをちぎって食う然葉やエンジェルヘアという名のアホ毛の楽しい真弥など,ビジュアル的に分かりやすい描写が多かった印象.それはそれで悪くはないんだけど,ちと物足りなかったかな,と.