小高和剛 『ダンガンロンパ/ゼロ(下)』 (星海社FICTIONS)

ダンガンロンパ/ゼロ(下) (星海社FICTIONS)

ダンガンロンパ/ゼロ(下) (星海社FICTIONS)

もういいです。もう忘れることにします。どうせ忘れてしまえば、何もかもが元通りになるんです。これは逃避ではありません。むしろ戦いなのです。松田くん以外のものを私の世界から追い出す為の戦いなのです。
──関係ない。関係ない。関係ない。関係ない。
やがて、それは爆発的に跳ね上がる私の胸の鼓動と同調し──叫び声へと変わっていきました。
──関係ない! 関係ない! 関係ない! 関係ない!
がむしゃらに叫び続けている内に、沸騰するような熱気が胃の奥から沸き上がってきました。それはマグマのような熱い塊となって──遂に私の口から爆発します。
「関係なあああああああああああああああああいっ!」
すると本当に爆発しました。

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そこで殺されていく彼らの《死》は、よくある《冷たい》というイメージから連想される空想の《死》ではありません。死んでいく彼らが撒き散らす血液は、生きている時の温かさとは桁違いの熱を放出し、カメラのレンズを曇らせるほどの湿気と蒸し暑さを生み出していました。それは火傷しそうなほどの熱さを伴った死でした。

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先月発売の上巻に続く二ヶ月連続刊行の下巻.《超高校級の絶望》である“あのキャラ”がなぜ《希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件》を起こしたのか,そしてなぜ原作ゲームで語られることになる事件を起こそうとしたのか.徐々に壊れていく音無涼子,そして誰も救われない衝撃のラスト.原作の“あのキャラ”や“あのキャラ”も大暴れ.やー楽しい,素晴らしい.「サイコポップを目指した」という目標にまったくブレがない.原作ゲームの世界が大好きな人間にとってはこれ以上ないご褒美ですよ.内容に触れると即ネタバレなのは変わらずなので多くは語らないけど,ゲームをクリア済みなら絶対読んだほうが良いよ.
ダンガンロンパ/ゼロ(上) (星海社FICTIONS)ダンガンロンパ/ゼロ(下) (星海社FICTIONS)