深見真 『ヤングガン・カルナバル バウンド・トゥ・バイオレンス』 (トクマ・ノベルズEdge)

ヤングガン・カルナバル バウンド・トゥ・バイオレンス (トクマ・ノベルズ)

ヤングガン・カルナバル バウンド・トゥ・バイオレンス (トクマ・ノベルズ)

「……ライ麦畑だ」
塵八は、大好きな小説『ライ麦畑でつかまえて』のワンシーンを思い出す。どうして大人たちの誰もが、ホールデン・コーンフィールドのように生きていくことができないのだろうか。日本の大人たちは、若い世代を「ゲーム脳だ」「学力低下だ」と言って貶めることに躍起だ。
思わず、独りごちる。
ライ麦畑で子供を助けるような殺し屋になりたい」

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ライブハウスに踏み込み「仕事」を終えた塵八は,監禁されていた東欧人の少女を保護する.ダニエラと名乗るモルドバ人のその少女は,人身売買組織に売り飛ばされていたのだ.時を同じくして,市内に二人のヤングガンが現れる…….
殺し屋みたいな正義の味方ではなく,正義の味方みたいな殺し屋として,人を殺す.若き殺し屋ヤングガンたちのシリーズ第二巻.やー,カッコいいぜ.銃と映画と殺し屋と正義と,好きなものをむき出しにして熱を持っていきいき描いている.泥臭いけどカッコいいんだよ.