法条遥 『リアクト』 (ハヤカワ文庫JA)

リアクト (ハヤカワ文庫JA)

リアクト (ハヤカワ文庫JA)

「過去を変えるなんて、そんな……!」
本当のはずがない。
できるわけがない。
できたとしても、真っ先にタイムパトロールの目に留まるはずだ。
私以外の過去のタイムパトロールが、気づいて調査するはずだ。
それなのに……! 私の胸は、得体の知れない恐怖で埋め尽くされていた。

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西暦3000年から1992年の静岡にやってきたタイムパトロールのホタルは,鏡の中にいる坂口霞との出会いをきっかけに,『リライト』の内容に疑問を抱く.『リライト』(感想),『リビジョン』(感想)に続く「嫌な時かけ」の第三巻,というか解決編? なにせ章タイトルが「時を駆ける少女」,「時を書ける少女」,「時を欠ける少女」,「時を賭ける少女」ということで気合が入っている.1992年,2002年,3000年の出来事が交錯し,現実,フィクション,メタフィクションが入り混じる.しかし正直なところ恐ろしくわかりにくく,さらっと読むつもりでいると頭の中に「?」ばかりが増えていく.固有名詞にしても時系列の流れにしても,わざとわかりにくくしてるんじゃないかと勘ぐってしまう.メモを取りながら読むと良さそうだけど,自分ではやりたくないので解説してくれるひとがほしいなあ,なんてことを思いました.