遠藤浅蜊 『特別編集版 魔法少女育成計画』 (宝島社)

特別編集版 魔法少女育成計画

特別編集版 魔法少女育成計画

「世界中の人間を救いたいわけじゃないし救えるとも思ってない。でも中宿の人達を……仮に通りかかっただけの人だとしても、見捨てて逃げたらもう魔法少女じゃない」
リップルはトップスピードの腰に回した手に力をこめた。かつて憧れていた「正しい魔法少女」の姿が脳裏に浮かんだ。
「私は魔法少女だ」

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魔法少女が出て殺す.16人の魔法少女が毎週ひとりずつ脱落するデスゲーム.このラノ文庫から発売された『魔法少女育成計画』(感想)に描きおろし短篇やその後発表された短篇,カラーイラスト,四コマ漫画ほかを追加収録した「特別編集版」.文庫で読んだ一回目よりはかなり楽しく読めた気がする.魔法少女とは殺し合うものであるという結論に至るまでの,有無を言わせぬスピーディな展開がなかなか気持ちいい.細かい部分をほぼ忘れていたのもあるけど,殺し合いが当たり前というか「日常」になってからが長いシリーズだから,改めて読み返すと新鮮だった.まあチープでしょうもないし話だし大まかな感想は変わらないんだけどね.