一肇 『フェノメノ 参 収縮ファフロツキーズ』 (星海社FICTIONS)

フェノメノ 参 収縮ファフロツキーズ (星海社FICTIONS)

フェノメノ 参 収縮ファフロツキーズ (星海社FICTIONS)

「なあ、夜石。ひとつだけ正直に答えてくれ」
耳に痛いほどの無音の世界で、俺はついにそれを口にした。


「俺たちは、まだ――生きているか」

フェノメノ 参 収縮ファフロツキーズ (星海社FICTIONS) | 一 肇, 安倍 吉俊 |本 | 通販 | Amazon

彼岸に対峙し,消失した少女,篁亜矢名.明かされるファフロツキーズ現象の原因.『フェノメノ 弐 融解ファフロツキーズ』(感想)との上下巻の下.オカルト趣味(「処女懐胎」をテーマにした悪趣味なネタが素晴らしい!)と理不尽なんだけど避けられないという怪談の気味悪さが同居した感覚がとても良い.衒学に偏りすぎず,在るだけで不気味なものをしっかりと描写してくれるのがなんか嬉しくなってしまう.良い現代の怪談でした.