ツカサ 『銃皇無尽のファフニールVII ブラック・ネメシス』 (講談社ラノベ文庫)

「あの子は……ドラゴンなんかじゃない。オレたちと同じ――人間だ」

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悠と深月の故郷を訪ねることになった竜伐隊一行.“緑”のユグドラシルの力によって,悠はついに失われていた記憶を取り戻す.だがその一方,姿を消していた“黒”のヴリトラと,かつて倒したはずの“紫”のクラーケンが現れる.
天災に近い存在かと思われたドラゴンの正体について,そしてドラゴンと人間の関係について.アニメ化直前のシリーズ七巻は折り返し点が近いのかな.つがいを求めるという,ここまで書かれてきたドラゴンの性質を魅力的に使ってストーリーを展開している.ドラゴンになってしまったために自らの手で斃さざるを得なかった親友,という物語のトラウマを,さらにぞっとするような仕掛けで見せつけてくるのはうまいと思った.相変わらずハーレムものとしてはキャラクターが弱いというか,ハーレム感が取ってつけたような感じなのは気になるけど,そんじょそこらのハーレムものと同じような感覚で手を出すと火傷するぜ.的な.続き期待してます.