法条遥 『リライブ』 (ハヤカワ文庫JA)

リライブ (ハヤカワ文庫JA)

リライブ (ハヤカワ文庫JA)

時を、駆ける少女。
時を、書ける少女。
時を、欠ける少女。
時を、賭ける少女。
いずれもが私に当てはまり、同時に、そのすべてに当てはまらない。
なぜなら……いや、何だろう。こんなふうにして語ることに何の意味があるのだろうか。
どうせ、私はまた繰り返す。
何をしたところで、繰り回す。

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2013年,春.千年に渡って転生を繰り返す女,小霧の結婚式に届いた一通の祝電.そこには完璧な春を迎えるために執り行われたある目論見が記されていた.
『リライト』(感想),『リビジョン』(感想),『リアクト』(感想)に続く,四部作の完結編.「あったこと」を「なかったこと」にはできない,という唯一のルールをのもと,神話の時代から西暦3000年にかけて繰り返される転生,タイムパトロールタイムリープ,という.本当に,法条遥は良くも悪くも信頼できる作家だと実感した.「最低を通り越して、最悪も通り過ぎ」た,というストーリーはどんどん複雑化し,ここに至っては,辻褄が合っているのかを確認するのもめんどくさい.……のだけど,何故か面白いのはなんでだろう.最悪な「時をかける少女」だった『リアクト』からこんなふうに話が展開していくとか,想像できるわけない.解説の佐々木敦も困っているぞ.前も書いたような気がするけど,時系列(と言っていいのか?)を簡潔に解説してくれるひとがほしい.とりあえず,イラストに騙されて手に取ってみるひとが増えるといいんじゃないかな.
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