平坂読 『ソラにウサギがのぼるころIV 〜mad tea party 〈side:hell〉』 (MF文庫J)

……なんだ……――こんな簡単に手に入るものだったんだ。
ほしかったものは、すぐ近くにあったんだ。ちょっと向いてる方向を変えるだけで、手を伸ばせば届くところにあったんだ。
前世からの恋も学園最強を決める戦いも演劇の主役も脇役も裏方も喫茶店のメイドも料理人もミスコンの勝者も敗者も開催者もテロも戦争も殺人も犯人も犠牲者もサッカー選手もサラリーマンも超能力者も吸血鬼も宇宙人もラブコメも、全ては同じ平面上にある。
日常と非日常の境界線なんてどこにもなくて、主要人物とその他大勢の境界もまた、どこにもない。俺が勝手に線を引いていただけ。
そんなことに――俺はようやく気づいた。

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最終巻.さすがに7年も積んでるとほとんど忘れているんだけど,正ヒロイン(かどうかは忘れた)の冬木陽子の存在を覚えていたためかわりとすんなり読めた.というか,学園異能もののお約束(上記で引用した要素はこの一冊にほとんど出てくる)を全部盛りして一冊にまとめあげた,最終巻らしい最終巻なので,覚えていようがあまり関係ないかもしれない.逆に言うと,独自の設定があまり生かされていない気もする.良い最終回でした.