宮澤伊織 『高度に発達したラブコメは魔法と区別がつかない』 (一迅社文庫)

高度に発達したラブコメは魔法と区別がつかない (一迅社文庫)

高度に発達したラブコメは魔法と区別がつかない (一迅社文庫)

「チッ、チッ、チッ」
〈魔法使い〉は人差し指を左右に振った。
「きみの愛を、他人のせいにしちゃいけないな。それはノーグッドだよ。愛の力は素晴らしい。それでいいじゃないか」
「だけど……」
「愛ってのは、魔法と区別がつかないことがあるのさ、少年」

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校庭の端の丘にそびえる〈伝説の樹〉.その樹の下で告白したふたりは結ばれるという.その樹の下で大げんかをした高校生の黒船蓮司と甘紙伊月の身の回りで,次々とおかしなことが起こり始める.
伝説の樹から掛けられた恋の魔法を解くために,自らラブコメ空間に飛び込んでゆくふたりであった.女の子たちはかわいいし,きちんとラブとコメが同居したラブコメ.そこにさらに,世界を形作り翻弄する〈恋の魔法〉の正体だとか,作者の得意とするものが遺憾なく発揮されているのがなんか不思議な感覚.いやまあ相反するわけではないんだけどさ.というかラブコメの「ラブ」ってそこから取ったのかよ! 非常に高いリーダビリティもさすが.タイトルの意味と作者の名前に覚えがあるなら何らかの気付きがあるのではないでしょうか.