川岸殴魚 『勇者と勇者と勇者と勇者2』 (ガガガ文庫)

「そもそも、目立とうとしてウエディングドレスって、どういう発想しているんだよ。結婚式じゃねーんだぞ!」
「私の田舎では、結婚式であんなの着ないのさぁ。花嫁は基本甲冑と鎖帷子なんだよぉ。ドレスじゃ大怪我しちゃうよぉ。肩から先をごっそり持っていかれちゃうのさぁ」
ネネの田舎は結婚式でいったいなにを行うんだ……。なぜ肩から先が持っていかれちゃうんだ。よっぽどのことだぞ。

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平和が訪れ,勇者が余りまくっている時代.中堅勇者といえば船.ろくな仕事もないままシェアハウスしている6人の勇者たちは,「売れてる感」を出すために船を手に入れることを目論む.
勇者(という名の無職)ばかりのコメディ二巻.毎度の安定感はさすが,言うことなし.「伝説のヤツ」とか「誰か」とか「なにか」とか,話中における指示代名詞の多さでは他に類を見ないし,独特のおかしさをしっかり出しているのが楽しい.メインヒロインよりアホの子のほうが存在感がぐっと強いのもいつもどおり.これは狙ってやってるのか天然なのかいまだにわからんのよな.