ツカサ 『銃皇無尽のファフニール XII ダークネス・ディザスター』 (講談社ラノベ文庫)

『上昇していたバハムート周辺の気温が再び下降――けれどバハムートの体表面温度は上がり続けています。外殻が膨張……いえ、変形して――』
もう間近に迫ったバハムートの異常は俺の目にもはっきりと映っている。
バハムートの体の各所が膨れ、奇妙な突起物がいくつも出現する。
「あれは……角?」

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地球上の四カ所に直径三百キロの黒いドーム――不可知領域が出現した.その中から現れたのは,はるか昔に退けたはずの五番目の災厄,“恒生”のバハムート.熱を喰らうバハムートに対抗するのは,ユグドラシルの記憶から構築された抗体兵器(カウンター・ウエポン)たる“機竜(デウス・ドラゴン)”,マルドゥーク.
今回のテーマは「艦隊戦」とのことで,巨大ドラゴンと戦艦との戦いに多くのページが割かれる.人間対ドラゴン,地球対宇宙,現実対虚構.スケールを変えつつ,異能力とかも使うけれど,なんだかんだと本質は怪獣小説だと思うんだよね.しかし相変わらず,というかいよいよストーリーとハーレムとの乖離が大きくなってきたなあ.ハーレム描写はどんどん取ってつけたようになっていく一方で,女の子はどんどん増えていくこのちぐはぐさは何なんだろう.おすべきポイントがどっかずれている気がしてならない.