森川智喜 『レミニという夢』 (光文社)

レミニという夢

レミニという夢

夢ほど忘れやすいものはないのだから。
「そう――」
わたしは彼らのほうをぼんやりと眺めて、ひとりごとをいう。
「――夢ほど忘れやすいものはないのだから……」

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大学を卒業して,小さな探偵事務所に就職した松代.ある晩,彼は夢のなかでレミニと名乗る探偵に出会う.
夢のなかの探偵事務所で,青い髪の探偵と羊の執事が日常の謎を解く.夢のなかだけあってふわふわしているし,無意識から生まれた探偵だけあって謎解きのヒントがなぞなぞや言葉遊びが中心.なにより本当に「ちょっとした」日常の謎,事件とも呼べない事件ばかりで,恐ろしく地味である.なぞなぞも言葉遊びも好きだけど,カタルシス的なものも薄いので,ただただ淡々とした印象が強いかな.