- 作者: 手代木正太郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/09/16
- メディア: 文庫
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男の内の一人は古生物学者だ。職業柄、様々な動物を知り尽くしている。
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だが、今、目の前に倒れるそれは、男の知るどんな生き物とも違った姿をしていた。
いや、違う。知っている。この生き物のことは知っている。子供だって知っている。小説や昔話の中で幾度も目にしている生き物だ。だが、この世に存在するはずもない生き物だった。
上半身が人、下半身が魚、すなわち――
「人魚 ……?」
誰ともなくそう呟いていた。
そう、灼熱の砂漠の真ん中に打ち捨てられていたその生き物は――人魚だったのである。
今回はあからさまなクトゥルフから始まる,シリーズ四巻.すげえ,ちょう楽しい.クトゥルフ神話と疑似科学(主に代替医療)と相撲がこんな風にひとつの線で結ばれるなんて! 聖法=忍法が出ないわけではないけど,テーマがテーマだけにいつもの山田風太郎の忍法帖らしさより,田中啓文のホラーSFっぽさを強く感じるかな(バカバカしさも含めて).聖教の象徴である
ホメオパシーやソマチットに対する(SF的な)理論づけが楽しいし,とある最新の疑似科学を利用した怒涛のクライマックスには読んでて変な声が出た.ほんとに馬鹿だなあ.皆もさっさと一巻から読むといい.