るーすぼーい 『白蝶記 3 ―どうやって獄を破り、どうすれば君が笑うのか―』 (ダッシュエックス文庫)

「人を殺してもらう」
陽咲に会えるのならば、なんでもやってやろうという覚悟だったのに、その一言でおれはとたんに青ざめた。

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市内でのテロ事件から一年半が経った.旭,樹,朱里の三人は教団から逃れ,中学校に通えるような新しい生活を手に入れていたが,陽咲の行方は知れないままだった.そんな旭の前に,元教団幹部の時任が姿を現し,陽咲の行方を探すために手を組むことになる.
教団に囚われていた三人は幸せになれるのか.緊張感を保ったまま一気に最後まで駆け抜けた,サスペンスシリーズ最終巻.一巻二巻から想像していた以上に手堅くまとめてきた印象.こういったテーマにも関わらず,変に露悪的な物語にならなかったのは良心的と言っていいのかな.お疲れ様でした.