赤月カケヤ 『僕の地味な人生がクズ兄貴のせいでエロコメディになっている。』 (ガガガ文庫)

「俺は自分のセックスに絶対の自信を持っている。俺が抱いた相手は絶対に幸せになる。いいセックスだったと満足する。心体ともにリフレッシュさせて、生きる力を与えるんだ。恋愛は駆け引きだが、セックスはヒーリングだ」

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村埜良二は私立高校の数学教師.教育熱心ではあるものの,地味でヘタレなため生徒からなめられまくっていた彼がある朝目を覚ますと,全裸の教え子が股の間で頭を動かしていた.その日からまったく見に覚えのない行動を繰り返す良二は,己の二重人格を疑うのだが.
冴えない数学教師の豹変は絶倫の兄の仕業だった.暴力とセックスと名言で生徒を更生していくという,「GTO」みたいなエロコメディ.ヤるべきことをしっかりとヤっているのはいまどき珍しいし,作中で殺人が起こらないのもこの作者としては珍しいのではないか(始まる前に殺されているのだが).ライトノベル的なところにうまく(?)落とし込んでいて楽しい反面で,なぜベストを尽くしたのかという気持ちもある.きちんとしたエロコメが読みたいなら読んでみるといい.