ツカサ 『熾界龍皇と極東の七柱特区(アヴァロン) V』 (ガガガ文庫)

熾界龍皇と極東の七柱特区 5 (ガガガ文庫)

熾界龍皇と極東の七柱特区 5 (ガガガ文庫)

「私は……旧原宿の露天市みたいに、人間と幻類(エナ)が軒を連ねて商売をしたり……普通の隣人同士として生活していける場所がもっと広がればいいと思っていました。けれど、それを望まない方もいっぱいいるんですよね。共存というものに対する考えが狭かったのは、きっと私のほうです」

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「生命の果実」の後始末のため,第七特区に神祖たちが集結していた.そのタイミングで,旧横浜に「人間だけの理想郷」を名乗る第八特区の樹立が宣言される.
人間と幻類(エナ)との共存は成り立つのか.それぞれの勢力の思惑が交錯する,「遙か遠き異教幻想譚」,最終巻.世界に幻類(エナ)が存在する理由や,様々な形での人類と神々の「共存」が語られる.それぞれのテーマは良かったのだけど,どうも浅く広くになってしまっている.テーマに比べて,描かれる時間的,空間的スケールがやけに狭いのよな.完結しただけいいのかもしれないけど,いまひとつ盛り上がりきらなかったかなあ.