カミツキレイニー 『七日の喰い神 4』 (ガガガ文庫)

「……この女さえおらんかったら、お前の歯車もくるうことはなかった」
「彼女がいなければ――」
龍之介はやはり微笑みを湛えたまま。
「僕はただの悪党だったよ」

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祈祷士協会を解散させようとするGHQと,解散させまいとする祈祷士たちの対立は,中部支局長の暗殺によっていよいよ火蓋を切ろうとしていた.一方,関東支部局長の龍之介は,戦時中からのある悲願を遂げようとしていた.
六花のマガツカミをめぐる戦いが完結する,シリーズ最終巻.「戦後」の時代に六花のマガツカミが生まれることになった,シンプルな理由が明らかになる.弟 vs. 想い人となる最後の戦いといい,振り返ってみると,ひとりの女性をめぐる徹底的にシンプルな話だったのかもしれないね.良い最終巻でした.