- 作者: 手代木正太郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/04/18
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
「私は、魔法助産師。乳汁を自在に操る術を心得ている」
Amazon CAPTCHA
トロトゥーラの瞳が、きんっ、と輝いた。
回避した円盤が弧を描き戻り、またもフィンゼンを襲う。咄嗟に竦み下がるフィンゼン。
「乳汁を高速回転。その回転速度はマッハ三。鉄をも切断し得る。況んや、貴様の素っ首をや」
そして今再び目覚めた時、さらに多く――百人近くの社員が殺傷されているではないか!
Amazon CAPTCHA
減少した社員を補充せねばならない。社員を交配させ、新たな社員を生み出さねばならない。
全社員を発情させるのだ。女たちに排卵させるのだ。受精させるのだ。
ガマエの真相を求めるクリミアとヴィクターは,稀代の発明家ゲルハルト・コッホが住むという島を訪れた.二人の前に,ヴィクターを
地獄のような孤島を舞台に繰り広げられる悪夢のような死闘,そして医学の未来の行方.江戸川乱歩のようなめくるめく地獄と,山田風太郎のような品のない妖術の忍法帖の悪魔合体にして,会社SFというかいかにも現代風なディストピアSFでもある,という.「地上に現れた地獄」を凄まじい密度で濃密に,完璧に描いていると思う.正直,作中で語られる仕掛けはわかったようなわからんような,煙に巻かれた感じではあるのだけど,作風的にはとても正しい気がする.そういうところも含めて,本当に最高な作品だと思うのですよ.皆も読むといい.