冲方丁 『テスタメントシュピーゲル 3 下』 (スニーカー文庫)

あたし達は大丈夫だ――あたし達は、実際のところ何も奪われちゃいない。
何も奪わせやしない/くそったれどもが奪ったと思っているもの全て――取り戻してやれ
このろくでもない地の底を這って――あたし達に何が出来るかどこまでやれるかどんな場所に辿り着けるか――とことん見せつけてやるんだ
まだ保たれているつながり――その全てを力に変えて暗闇を這った。
さあ進め――とことん前へ――泥まみれで這いつくばって進み続けろ

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2016年,ミリオポリス.6人の機械化少女たちの戦いがついに決着を迎える.
オイレンシュピーゲル」,「スプライトシュピーゲル」から始まった物語が10年をかけて,現実の時間を追い越した.シリーズ完結.とうとう6人が揃ったMPBとMSSが戦火に燃える街を駆ける.涼月の「あたし達は大丈夫だ」という言葉が頼もしくて涙が出る.打ちのめされた彼ら彼女ら,それぞれが何かをつかみ取り,未来への道筋を見つける.まさに大団円であり最高のカタルシス.理想的な結末と言えるのではないでしょうか.全員が救われてほしい,とこれほど思える物語もそうそうないと思うし,それをやり遂げた,という.皆も追いかけてみるといい.今からでも遅いということはないさ.