岩波零 『ゴミ箱から失礼いたします 2』 (MF文庫J)

ゴミ箱から失礼いたします 2 (MF文庫J)

ゴミ箱から失礼いたします 2 (MF文庫J)

「ふざけないでよ……。変な状況だけど、一応恋の告白をしたんだから。しかも生まれて初めての……」

「…………」

初めての告白がこれって、なんか彩音、物凄く可哀相だ。

ゴミ箱の中に入っていないとゴミ箱になってしまうという「妖怪ゴミ箱男」になってしまった小山萌太.なんとか人間に戻ることができた萌太だったが,ある朝目が覚めると再びゴミ箱になっていた.これは一体.

妖怪もの,とは言ってもいわゆる一般的な妖怪ものとは一線を画す印象のあるラブコメ二巻.やっていることはドタバタしているわりに,語り口はかなり落ち着いていて妙なギャップがある.女の子たちもそれぞれにキャラが立っていて可愛いと思う.特に幼なじみの彩音.幼なじみがなかなか報われないのはこの世界の常とはいえ,引用した部分をはじめ,これほどの不憫っぷりを見せる幼なじみは今までに読んだことがない.だいぶ長いこと積んでしまったけど,続きも読んでみたくなりました.