本作について私は、人類が、たった一人で、自身の肉体のみで物語を書く、最後の時代の、最後の実験文学の一つに数えられると思っている。そしてここで言う「最後」は終末論ではない。単に分類の話である。
イニトとフィニーのふたりは文字で構成された字宙(宇宙ではない)を旅する。「自己増殖するテキスト」を「AIが自動生成する」。全体の八割をLLMで書いたという実験小説。率直に言って難解だった。そもそもの表現が難解なのもあるけど、その上で「作者」の「意図」を探るような読み方が効かないのもある。というか、考える意味があるのか? と考えて字面を素直に追えなかったのもある気がする。これも過渡期ならではの感覚なんだろうか?
デビュー作『構造素子』(これも難解だった)のころにはできなかったことが、まだ道半ばだろうけど、できるようになったということはよくわかる。プロンプトを練ったから当然とはいえ、ちゃんと作風が出るもんなんだなあと感心した。
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