2021-01-01から1年間の記事一覧

赤城大空 『出会ってひと突きで絶頂除霊!9』 (ガガガ文庫)

出会ってひと突きで絶頂除霊! 9 (ガガガ文庫)作者:赤城大空小学館Amazon 『ふざけるな……っ』それは今にも泣き出しそうな少女の声。『あんな厄災! 二度と起こさせない!』 かつて地上に性の理想郷(セックスアルカディア)を作り上げたサキュバス王。そのパ…

立川浦々 『公務員、中田忍の悪徳2』 (ガガガ文庫)

公務員、中田忍の悪徳 2 (ガガガ文庫)作者:立川浦々小学館Amazon 「ああ。そうした線から考えていくと、ヒトという存在の定義は極めて曖昧になる。私見を述べさせて貰えば、今までは地球上にヒト以外のヒトに近い何かがいなかったため、わざわざ厳密な定義…

二月公 『声優ラジオのウラオモテ #06 夕陽とやすみは大きくなりたい?』 (電撃文庫)

声優ラジオのウラオモテ #06 夕陽とやすみは大きくなりたい? (電撃文庫)作者:二月 公KADOKAWAAmazon 「ここで重要なのが、お客さんの目線。不思議なもので、お客さんは声優の後ろにいるキャラクターを見ながら、同時に、声優を観ている。キャラと声優を重ね…

駿馬京 『インフルエンス・インシデント Case:03 粛清者・茜谷深紅の場合』 (電撃文庫)

インフルエンス・インシデント Case:03 粛清者・茜谷深紅の場合 (電撃文庫)作者:駿馬 京KADOKAWAAmazon 脆弱な言語力と思考力でもって他者と接する機会が増えたからこそ、その間に軋轢が生じて、個人間コミュニケーションの機能不全が起こる。思考力を持たな…

二語十 『探偵はもう、死んでいる。6』 (MF文庫J)

探偵はもう、死んでいる。6【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:二語十KADOKAWAAmazon 「だがまあ人間そんなもんだろ? ああ、そうさ、それでいい。おれが今日、昨日、過去、お前に偉そうに講釈垂れたことなんて、全部無視して構わない。明日お前が好きになった…

小田雅久仁 『残月記』 (双葉社)

残月記作者:小田雅久仁双葉社Amazon 昨今の若者に、日本の歴史に爪痕を残した月昂者の名をいくつあげられるかと問うてみても、多くは三本の指を折ることもできまい。かつて月昂という感染症が日本の、いや、世界の夜を長きにわたっておびやかしたという知識…

陸秋槎/稲村文吾訳 『盟約の少女騎士(スキャルドメール)』 (星海社FICTIONS)

盟約の少女騎士 (星海社 e-FICTIONS)作者:陸秋槎講談社Amazon 「あなたのお父様は正しかった。騎士になったとしても、髪を短くする必要はない」サラは言う。「こんなにきれいな髪、切ってしまうのはあまりにもったいないから」 メイヤール湖畔に建つ離宮には…

かつび圭尚 『問一、永遠の愛を証明せよ。ヒロイン補正はないものとする。』 (MF文庫J)

問一、永遠の愛を証明せよ。 ヒロイン補正はないものとする。【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:かつび 圭尚KADOKAWAAmazon 過程なんて関係ないんじゃないのかよ。結果が全てじゃなかったのかよ。そのためならなんでもするんじゃなかったのかよ。矛盾している…

両生類かえる 『海鳥東月の『でたらめ』な事情』 (MF文庫J)

海鳥東月の『でたらめ』な事情 (MF文庫J)作者:両生類 かえるKADOKAWAAmazon 「――私は、でたらめちゃんって言います」「……?」「でたらめちゃん。ちゃんまで含めて名前です。平仮名七文字きっかりで、でたらめちゃんです」「……なんて?」 「泥棒に遭ったみた…

円居挽 『誰が死んでも同じこと』 (光文社)

誰が死んでも同じこと作者:円居 挽光文社Amazon 「捜査マニュアルの作成って……具体的に何をするの?」「基本的には一般企業のそれと変わりませんよ。業務上のボトルネックを見つけ出し、改善するだけです。僕がまず手をつけたのは膨大な事件記録です。それら…

香坂マト 『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います3』 (電撃文庫)

ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います3 (電撃文庫)作者:香坂 マトKADOKAWAAmazon 「死んだ人は蘇らない」ギリ、と奥歯を噛み、アリナは絞り出すようにそう言った。「だから、冒険者も受付嬢も、バカみたいに辛い職場で、バ…

岬鷺宮 『日和ちゃんのお願いは絶対4』 (電撃文庫)

日和ちゃんのお願いは絶対4 (電撃文庫)作者:岬 鷺宮KADOKAWAAmazon まるで、景色の中に透き通っていくみたいに。世界全体に溶けていくみたいに。彼女は触れがたいほどに透明に、清くそこにある――。俺は、彼女が恐ろしかった。そんな風に、純度を極限まで高め…

菊石まれほ 『ユア・フォルマIII 電索官エチカと群衆の見た夢』 (電撃文庫)

ユア・フォルマIII 電索官エチカと群衆の見た夢 (電撃文庫)作者:菊石 まれほKADOKAWAAmazon ――大丈夫。どんな痛みでも、いつかは消える。たとえ、消えて欲しくなくても。流れ落ちる季節が全てを平らに消えていくことを、母を失ったビガはよく知っている――だ…

鳩見すた 『アリクイのいんぼう 魔女と魔法のモカロールと消しハン』 (メディアワークス文庫)

アリクイのいんぼう 魔女と魔法のモカロールと消しハン (メディアワークス文庫)作者:鳩見 すたKADOKAWAAmazon 変わったのは時代じゃない。少々気づくのが遅かったが、気がつけただけマシだろう。 川沙希は望口。ミナミコアリクイの店主がトレードマークのハ…

葉月文 『ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.1 女子高生、はじめてのおてつだい』 (電撃文庫)

ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.1 女子高生、はじめてのおてつだい (電撃文庫)作者:葉月 文KADOKAWAAmazon これは、作家と女子高生。そして多分、本の数だけ存在する僕と君を巡るとても大切な話だ。 作家としてデビューして6年。重版未経験の作家、ホヅミこと…

竹林七草 『ヒルコノメ』 (二見ホラー×ミステリ文庫)

ヒルコノメ (二見ホラー×ミステリ文庫 た 1-1)作者:竹林 七草二見書房Amazon その小山の上に、人が立っていたのだ。いや、あれを人と称していいのか――美彌子の中に、ざわついた疑念が浮かび上がる。なんだろう……遠目だからはっきりとはわからないが、けれど…

日向夏 『迷探偵の条件 1』 (MF文庫J)

迷探偵の条件 1 (MF文庫J)作者:日向夏KADOKAWAAmazon 俺は今日で十七歳。真丘家の男子は十八までに運命の女性に出会わなくてはいけない。でなければ――。十八歳で必ず死ぬ。 真丘家に生まれた男はふたつの宿命を背負う。それは、18歳までに運命の女性に会わ…

悠木りん 『こんな小説、書かなければよかった。』 (ガガガ文庫)

こんな小説、書かなければよかった。 (ガガガ文庫)作者:悠木りん小学館Amazon 「やりたいことも、行きたいところも何もない。けどそれでもいいんだ。だって私たち、お互いが隣にいれば、それだけでいいんだもんね?」ひどく無邪気なつむぎの声に、わたしは束…

波野彼方 『中野森高校文芸部のホームズ&ワトソン』 (星海社FICTIONS)

中野森高校文芸部のホームズ&ワトソン (星海社 e-FICTIONS)作者:波戸彼方講談社Amazon 「誰でも書けるけど、誰でもプロになれるわけじゃない」思わずそう反論し、気付く。そうか、私はプロになりたかったんだ。いつか見た夢――あのとき妄想と切り捨てた職業…

牧野圭祐 『月とライカと吸血姫7 月面着陸編・下』 (ガガガ文庫)

月とライカと吸血姫7 月面着陸編・下 (ガガガ文庫)作者:牧野圭祐小学館Amazon1960年、冷戦下で始まった宇宙開発競争。東西の大国が協力し、月面を目指す「サユース計画」は、1969年にひとつの結末を迎えようとしていた。 「そこに月がある限り、空想を現実に…

乙野四方字 『アイの歌声を聴かせて』 (講談社タイガ)

アイの歌声を聴かせて (講談社タイガ)作者:乙野 四方字講談社Amazon 「時間は解決なんかしてくれない。傷口が固まっちゃうだけ」 AIが社会インフラの一部になった、少し先の未来。AI研究者の母を持つ高校生の悟美のクラスに転校生がやってくる。転校生の少女…

三萩せんや 『七夕の夜におかえり』 (河出書房新社)

七夕の夜におかえり作者:三萩せんや河出書房新社Amazon 「なるほど。私たち、何かを諦めてきたわけね」ここまでの人生、順風満帆とはいかなかった。子どもの頃はなんだって叶う気がしていたのに。気づけば自分たちはいろいろなものを手放して前に進んできた…

原作:東堂いづみ/著:三萩せんや 『時守たちのラストダンス』 (河出書房新社)

時守たちのラストダンス作者:東堂いづみ,三萩せんや河出書房新社Amazon だから気づかなかったのだ。このときすでに何を忘れていたか。何を忘れつつあるのかに。 高知から東京へ引っ越した高校入学の日。伊純は入学式で四人の少女と出会う。初対面なのに、お…

黒史郎 『ボギー 怪異考察士の憶測』 (二見ホラー×ミステリ文庫)

ボギー――怪異考察士の憶測 (二見ホラー×ミステリ文庫)作者:黒 史郎二見書房Amazon また、あの夢を見る予感がする。鼻の奥で鉄の臭いがするのだ。発作かもしれない。どちらにしても悪い兆しだ。再び、あの夢を見だしたら、また徒に背が伸び続けるのか。冗談で…

かじいたかし 『僕の妹は漢字が読める4』 (HJ文庫)

僕の妹は漢字が読める4 (HJ文庫)作者:かじいたかしホビージャパンAmazon 男たちの話は、聞くに堪えなかった。文化特区は嫌なところだと実感する。保守的で、排他的で、凝り固まった頭の人間ばっかりだ。 ギンとクロハの前に、喋るパンティストッキングが現…

田中哲弥 『オイモはときどきいなくなる』 (福音館書店)

オイモはときどきいなくなる (福音館創作童話シリーズ)作者:田中 哲弥福音館書店Amazon 田んぼをぬけて、うら山につづくアスファルトの坂道をのぼってくと、道の両がわでずっとぽちぽちぽちぽち音がしてる。木の葉っぱから水が落ちて、ぽちぽちぽちぽち雨が…

逆井卓馬 『豚のレバーは加熱しろ(5回目)』 (電撃文庫)

豚のレバーは加熱しろ(5回目) (電撃文庫)作者:逆井 卓馬KADOKAWAAmazon 「生きるのはとてもつらいことです。しかし、死んでしまってから生きたかったと願う方が、もっともっと、つらいことなんですよ」 闇躍の術師に乗っ取られた王と王国を奪還しなければ…

紺野天龍 『錬金術師の密室』 (ハヤカワ文庫JA)

錬金術師の密室 (ハヤカワ文庫JA)作者:紺野 天龍早川書房Amazon 「――まあ、いい。無知蒙昧なきみに、特別に教えてやろう」そう言って、男装の麗人たる錬金術師は握手を解き、胸元に手を添えて朗々と告げる。「私は、テレサ・パラケルスス。真名をテレサフラ…

鳩見すた 『水の後宮』 (メディアワークス文庫)

水の後宮 (メディアワークス文庫)作者:鳩見 すたKADOKAWAAmazon 同僚が殺されかけたのに宮女たちがのんきなのも、市井の感覚が欠落しているからかもしれない。後宮において「宮女の命が軽い」というのは、事実を超えてもはや常識であるようだ。それを悟った…

鶏卵うどん 『僕たちはまだ恋を知らない ~初恋実験モジュールでの共同生活365日~』 (MF文庫J)

僕たちはまだ恋を知らない ~初恋実験モジュールでの共同生活365日~【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:鶏卵 うどんKADOKAWAAmazon 歳を取って思い出し、「あの一年」が自分の人生を決定づけたと確信できる一年が誰にでもあるのだそうだ。そして僕にとっての「…