2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

蒼井祐人 『エンド・オブ・アルカディア2』 (電撃文庫)

エンド・オブ・アルカディア2 (電撃文庫)作者:蒼井 祐人KADOKAWAAmazon 「……死ねないのに、どうして戦えるの? 何のために戦っているの? それって命よりも大切なことなの?」 《アルカディア》の破壊から二ヶ月。軍産複合企業テレサから逃れた秋人とフィリ…

ヰ坂暁 『舌の上の君』 (集英社)

舌の上の君 (ジャンプジェイブックスDIGITAL)作者:ヰ坂暁,しおん集英社Amazon 異世界はいつまでも異世界ではないのかもしれない。別な世界から放りこまれた俺もその内側に取りこまれ、いつしか順応していく。異郷の空気や水、食い物の味に慣れるように。俺が…

八目迷 『琥珀の秋、0秒の旅』 (ガガガ文庫)

琥珀の秋、0秒の旅 (ガガガ文庫 ガは 7-5)作者:八目 迷小学館Amazon 「弱者の共感では、強者の正論に勝つことはできない。……けどな、カヤト」駅に着く。僕たちは足を止めて向かい合った。「強くならなきゃ生きていけないなら、それはこの世界が間違ってる。…

鶴城東 『衛くんと愛が重たい少女たち』 (ガガガ文庫)

衛くんと愛が重たい少女たち (ガガガ文庫)作者:鶴城東小学館Amazon なんならぼくが誰かに好意を向けることを、気持ち悪いとまで言ってくる。はっきり確認を取ったわけじゃないけど、凛は、ぼくから「性欲」の匂いがするのがとにかく嫌なんだろう。そんな凛に…

新八角 『チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日』 (電撃文庫)

チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日 (電撃文庫)作者:新 八角KADOKAWAAmazon 「雪降りそう」姉が漏らしたその言葉通り、この時期に気仙沼で雪が降るのは珍しいことではなかった。そして、やはり姉の言葉通り、そんなクソ寒い日に、外に出るべ…

宮澤伊織 『神々の歩法』 (創元日本SF叢書)

神々の歩法 (創元日本SF叢書)作者:宮澤 伊織東京創元社Amazon 「新しい敵が現れたのならなおさらだ。ミスター・マッケイ、ささやかながら忠告しますがね、ニーナの機嫌を損ねないほうがいいですよ」「脅すつもりか?」「八歳の女の子を怒らせるのは実に簡…

柞刈湯葉 『まず牛を球とします。』 (河出書房新社)

まず牛を球とします。作者:柞刈湯葉河出書房新社Amazon 「アルバムなんて概念は音楽をCDで売っていた時代の名残であって、今は好きな曲をプレイリストにして聴くものだよ」と同僚の男性は言う。そいつは毎日スピーカーに、「今日の気分に合った曲」と言って…

ヰ坂暁 『世界の愛し方を教えて』 (講談社タイガ)

世界の愛し方を教えて (講談社タイガ)作者:ヰ坂 暁講談社Amazon 有沢ニヒサは異世界人だ。俺が一番愛した女優・有沢アテナを追い出す形でこの世界へ現れた。 映画を愛し、映画監督の父と世界を憎む高校生、灰村昴は、有沢ニヒサが踏切に飛び込むところに出く…

手代木正太郎 『鋼鉄城アイアン・キャッスル2』 (ガガガ文庫)

鋼鉄城アイアン・キャッスル (2) (ガガガ文庫 ガて 2-15)作者:手代木 正太郎小学館Amazon とうとうと、ただ、とうとうと流れる時代の奔流の中、舵を手に船出したばかりの松平竹千代は、果たして流れに翻弄される木の葉に過ぎぬのか? はたまた濁流に逆らい泳…

髙村資本 『恋は双子で割り切れない4』 (電撃文庫)

恋は双子で割り切れない4 (電撃文庫)作者:高村 資本KADOKAWAAmazon 悪気のない、何気ない一言だったからかも知れない――だから、余計に辛い。ねぇ――そういう意味じゃないよね? 神宮寺姉妹からの申し出を断れない。純はそれが間違った優しさだと知っていた。…

四季大雅 『わたしはあなたの涙になりたい』 (ガガガ文庫)

わたしはあなたの涙になりたい (ガガガ文庫)作者:四季大雅小学館Amazon 僕は涙を流した。泣きながら、母さんのお腹に抱きつき、言った。「痛いでしょう……お母さん、痛いでしょう……」お腹から聞こえるくぐもった音で、母さんも泣いているのがわかった。首の後…

新馬場新 『サマータイム・アイスバーグ』 (ガガガ文庫)

サマータイム・アイスバーグ (ガガガ文庫)作者:新馬場新小学館Amazon 海からの風が地面を滑ってくる。きつく冷やされた潮風が肺に流れ込む。視線の先、逃げ水は海に還り、水平線の両端は空の紺碧に押しつぶされている。その中央には、見慣れぬ白。幼い頃より…