森田季節 『桜木メルトの恋禁術』 （MF文庫J）

桜木メルトの恋禁術 (MF文庫J)

「お前、『愛は地球を救う』って言葉、知ってるか？」
「愛が地球救うわけないじゃん」
「お前、事実だけど、それを言ったらおしまいだよ……」

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小学生のころから想い続けていた女の子との再会をやっとこ果たした金沢大和．いざ告白よ，のその瞬間，黒髪の小柄な女の子に割り込まれ邪魔される．彼女こそ，自称正義の恋禁術師，桜木メルトであった．
恋愛とは邪心であり，撲滅すべき感情である．そんな信念のもと，いろいろ厄介ごとを起こす桜木メルトの勘違いドタバタラブコメディ．話のキーはやはり「恋禁術」．回り道に回り道を繰り返す面倒くささと，キャッキャウフフを両立させるラブコメのお約束を，ワンアイデアを使って浮かび上がらせようとしている風に見えた．ラブコメを成立させるのに都合よく使えるアイテムに，「恋禁術」という名前をつけて使い倒してみました，みたいな．恋禁術といいながら，特定の法則があるわけでなし．素直に読めば素直なラブコメだし，かなりうがった見方かも分からないけどね．