てり 『サリー&マグナム OF THE GENUS ASPHALT』 (講談社BOX)

サリー&マグナム OF THE GENUS ASPHALT (講談社BOX)

サリー&マグナム OF THE GENUS ASPHALT (講談社BOX)

「こいつのアソコ、デカくてさー。マグナムみたいだからマグ」

Amazon CAPTCHA

他人には見えないものが見えてしまう30男と,アスファルトの精であるオカマが出会い,この世に現れた「バグ」を相手に大立ち回り.その影で,バグ同士が潰し合う「大逆発情期」の訪れが近づいていた.
第11回BOX-AiR新人賞受賞の,「四十五歳の新人ラノベ作家」デビュー作.アイデアと要素の数々はめっちゃ面白いと思うんだ.べらんめぇ口調の地の文,身長190センチ近いアスファルトの精(美形のオカマ)とのバディ(一部ホモ含む)展開,次々に集ってゆく対バグチームの面々,などなど.生殖ではなく,破滅するために惹かれ合う,大逆発情期というアイデアも面白い.これだけ好みのネタが組み合わされば傑作にしかなりようがないじゃない,と思うんだけど,完成したものはかなり微妙.アイデアに筆力が追いついていないのかなあ.45歳おっさんのアイデア力×新人ラノベ作家の筆力構成力,というか.「四十五歳の新人ラノベ作家」というのはそういう意味かーと思った次第.