- 作者: 佐竹彬,千野えなが
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2005/06
- メディア: 文庫
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独自の用語や概念を多用して,なんとか「セカイ」を造ろうとしていることはわかる.けど,その用語の説明が言葉の羅列にしかなってないうえに,無駄に難解な言いまわしを好む傾向があって,正直わけわかんなかった.最重要概念であるはずの「情報場」とはどういうものなのか,最後までよくわからなかったし.
まるで書き方のなっていない技術論文と陶酔気味のポエムを交互に読んでいるようだった.読むことに慣れていない人だったら冒頭の30ページで投げ出すと思う.私は100ページで投げ出したくなった.
オブラートを何重にも巻いた表現をするなら,すごく若い小説.単純に「下手くそ」ではなく,文章を書くこと,そして誰かになにかを説明することそれ自体にまだ慣れていない,そんな印象を受けた.この状態で世に出ちゃったのはある意味不幸だったのかも.
あと,あとがき(この本では「解答・解説の解説」)の書き方はもう少し考えたほうが良いと思う.