谷川流 『ボクのセカイをまもるヒト②』 (電撃文庫)

語り部の視点がメタ的位置にあるおかげでなんとなく話を飲み込めたような気分には(一瞬だけ)なったけど,ちょっと考えると物語自体はまったく前進してないよねこれ.伏線張りというか種蒔きというか,それに加えて世界とキャラクターを少し明かすためだけに丸まる費やしたような一冊.ハルヒでいうと「消失」に対する「溜息」「退屈」みたいな巻か.それでも,筆致はドライだけど描くべきことは漏らさず収めている印象で流石にそつが無いなぁ.むしろそつが無さ過ぎてつまらんと思ったけどこれは野暮な感想.次巻か次々巻あたりでこの種がどーんと芽吹くことを夢見て今夜は寝る.