ロバート・A・ハインライン/矢野徹訳 『宇宙の孤児』 (ハヤカワ文庫SF)

宇宙の孤児 (ハヤカワ文庫 SF 281)

宇宙の孤児 (ハヤカワ文庫 SF 281)

たまには SF でも読むか〜と思って引越し荷物から掘り出してきた.発表されたのが1941年ということで,流石に今となってはアイデアが「どこかで見たようなもの」になっている.でも最近でも似たようなのちょくちょく見かけるし古びたという感じはしない.むしろ表現の美しさ,容赦の無さではずっと勝っている.

「さあ……いまからおまえに、星々をみせてやる!」
このあとの一連の「宇宙」とヒュウの出会いの描写の素晴らしさときたらもう.たかだか3ページほどの文章に完全に魅せられてしまった.「翻訳ものは文章が硬くて読みにくいから苦手」と敬遠していたのだけども,やっぱある程度は数読まないとだめですね.
しかし読み終えて最初に浮かんだ感想は「ジョウ=ジムはジム×ジョウだよね〜」であり,嗚呼,脳が腐れていると嘆いてみたりもした.