月見草平 『姫宮さんの中の人』 (MF文庫J)

姫宮さんの中の人 (MF文庫J)

姫宮さんの中の人 (MF文庫J)

「中の人」の設定を除けばひじょーにベタなシチュエーションが重なるラブコメ.流石にベタが過ぎるかなぁ.丁寧に書かれているのは分かるけど.「外の人」と「中の人」に対する純人の気持ちがスムースに流れすぎな気はしたけど,純人やちとせの混乱や葛藤といった心情は言葉できちんと説明されていたのは好感が持てた.混乱ぶりは伝わってきた.6章ラストもこれまたベタだったんだけど,私はこういう描写に弱いんだぁ.
今回はベタシチュに乗せて世界観とキャラクターの説明に終始していた印象が強かった.でもキャラクターは掘り下げれば魅力が出てきそうな雰囲気は十分だし,回収されなかった伏線も多数あるし,「カルナ」や「きらほ」も良かったし,作者の実力はまだこんなもんじゃない.と思う.てことで続きに期待してます.