深見真 『ヴァンガード』 (スーパーダッシュ文庫)

ヴァンガード (集英社スーパーダッシュ文庫)

ヴァンガード (集英社スーパーダッシュ文庫)

謎の大地震とともに現れた巨壁により,外界から完全に隔絶された東京.厚さ 20 キロメートルに及ぶ巨壁内部は怪物たちの跋扈する迷宮と化していた.探索者「ヴァンガード」たちは生きる糧と外への出口を求め迷宮を探索する.
迷宮探検ものゲームをベースに,剣と魔法を筋肉と銃器に置き換えて,深見真らしいマッチョな世界観を加えていっちょあがり.あとがきで触れられているように,「ウィザードリィ」のノベライズの一種,と書けばだいたい雰囲気は伝わると思う.ストーリーは作者らしい明快なもの.どっちかというとダンジョン探索における銃器の扱いやサバイバル術,生理現象の処理がメインになるのかな.描写は細かで,思考実験小説の趣.まあ微に入り細を穿つとまではいかないので多少物足りなくはあったけど,私はそういう視点で WIZ をプレイしたことはあんま無かった気がするので,へぇ〜と感心することも多々.悪くないと思う.