乱崎家では銀夏に次ぐ常識人で,いちばん地味(個人的見解)な千花にスポットライトをあてまくった「
狂乱家族日記」の番外短編集.四編の短編のうち三編は千花の一人称で描かれる.本編は三人称……といっても視点が語り部の位置に定まっていない「
狂乱家族日記」において,一人称で描かれているのが特徴かね.弾けつつどこか浮世離れした女の子視点の文章が妙に楽しい.ス
トーリーは力押しだけど,「ビタミンCの森」や「乙女心ラビリンス」では最近の
日日日がぜんぜん書かない日常のまったり具合が出ていて非常によろしいと思う.このアホなやりとりは「
ギロチンマシン中村奈々子」に似ているかと思ったけど,もっと以前のリズミカルな文体に近いような.私の好きな
日日日が帰ってきた! みたいな.あとイラストが強すぎて作中の千花の印象が引きずられている気がした.やけに可愛らしい方向に.アニメ化に向けてビジュアル強化,ってことなんだろうけど一冊の小説としてみたときこれはどうなんだろ.私には良いか悪いかはわかんね.