- 作者: 萬屋直人,方密
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: 文庫
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「キノの旅」の血を色濃く引いた(と思う)ロード・ストーリー.ひとことで言って綺麗な話.旅先で出会う人々はことごとく善人であり,ちょっとしたロマンスや別れを経験しつつ,終わりの見えない旅が二人だけのセカイを演出する.世界の荒んだ一面を示唆するような描写もちょろっとあったけど,作中に具体的に現れることはない.これといって芯となるストーリーがあるわけではない.ただひたすらに綺麗な世界を見せられる.するりと読めるのはいいけどなんか素直には受け入れがたいのよなあ.『ほしのこえ』をはじめて見たときと同じムズムズイライラした違和感があったのよ.ここまで嘘臭い,作り物めいたセカイを用意しなければ男と女をくっつけることも出来ないのか,みたいな.何も考えずに読めば少年と少女の甘酸っぱい青春語り.それだけの話なんだけどさ.