童話をモチーフにしたコメディシリーズ五作目．今回のモチーフは裸の王様，
ジャックと豆の木，白雪姫の三篇にプラスアルファ．毒にも薬にもならない軽めの話が並ぶなか，りんごさんの過去に触れた「おおかみさん白雪さんと出会いりんごさんのためにがんばる」が良かったかな．軽いノリは変えずに過去の確執を描いているので重いんだか軽いんだか読みながらすぐには判別がつきかねたんだけどこれがこのシリーズの持ち味だから仕方ねぇ．といっても個人的にはもうちょい力を入れて描いてもよかった気もするが．「白雪さん」は
オオカミさんもよかったしね．こないだの「
円環少女」でなんとなく自覚したんだけど kanadai さんはふだんは強気な娘さんが奔放な悪ガキに翻弄されておろおろ，という構図が好物だったらしいですよ．自分でも知らなかった新しい一面を発見，これぞ読書の醍醐味！ これに気づけただけでも有意義な一冊だったと言えましょう．
