スプライトシュピーゲルIV テンペスト (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 冲方丁,はいむらきよたか
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2008/04/19
- メディア: 文庫
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その流れを受け継いだ本編「テンペスト」.『マルドゥック・スクランブル』のカジノを髣髴とさせる"世界統一ゲーム"からはじまって,そのあとはラストまでノンストップ.500 ページをオーバーするまで継続する緊張感に絞められ続けることになる.キャラクターは増えるものの,フォーカスの移り変わりで混乱するようなこともなく,むしろ並行して掘り下げが行われているのが恐ろしい.国家・宗教・資源を巡る駆け引きと証人たちの「夢」,ヒーローたちがいる一方で紙のように死んでいく沢山の人間たち,裏で生き続ける敵役.いかにも B 級で即物的な構図の物語に「夢」を持つ少女たちを放り込み戦わせるという残酷さが今になってようやく理解できた気がする.「キャラクターチックで人間味が薄い」とずっと感じていた三人娘にもいつの間にか普通に感情移入できていた自分がいた.
てことで最高でした.読みながら何度も変な声が出たよ.良かったようおうおう.MPB とのクロスオーバーもここに来て加速し,もうすぐ出る「オイレン」もとても楽しみ.あと 2 巻? で終わってしまうのが勿体無さすぎる.