上栖綴人 『彼女は眼鏡HOLIC』 (HJ文庫)

彼女は眼鏡HOLIC (HJ文庫)

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第 2 回ノベルジャパン大賞優秀賞受賞作.魔鏡の収集・保全を行う秘密組織のエージェントにして眼鏡使い,そして強烈な眼鏡フェチの深鏡めめこ.ある事件を追って御園学園に転入した彼女は眼鏡をかけた少女・黒野亞衣と出会う.

「お前達、早くこの眼鏡少女を始末しろっ!!」

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眼鏡とは、たった一人の持ち主のために作られるものだ。
他の人間のために作られた眼鏡を、別の人間が使うことは滅多にない。顔のサイズや視力は千差万別だ。眼鏡は、ただ一人の主のために仕える騎士と同じなのである。

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眼鏡は世界を映すものだ。(後略)

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R.O.D.』を強烈にリスペクトした風のある百合アクション眼鏡小説.なんだそれ.なにかにつけては眼鏡を前面に押し出し,テケトーな理屈をつけてゴリ押しする作風は好み.眼鏡にこじつけたテキストの数々もいい感じに力が抜けてて楽しい.こないだ西川魯介の新刊を(ようやく)読んだところだったのでフェチ方向のベクトルに若干の物足りなさも感じたけど比べるだけ野暮よな.フェチ小説だ偏愛小説だと呼ぶには何かが足りない気がするけど読み捨てエンターテイメントとしては十分.なにより最初から最後まで眼鏡を貫いた話運びとその姿勢は評価すべきと思った次第.