航空自衛隊小松基地に居を構える
救難隊員たちの活躍と日常を描いたレスキュー小説.刊行と同時期に放映されていたアニメのサイドス
トーリー,という位置づけでいいのかな.救難の現場で働く男たちの姿を泥臭く描くサラリーマン小説的な風情もあり.といっても華々しいサクセスス
トーリーとは縁遠く.
救難隊という「人命を救う兵隊」の微妙な立場を,私のような軍事やら何やらに疎い人間にも分かりやすく,そして迫力を損なうことなく描いている.第四章のような事態が実際に発生しうるのかは私には分からないのだけど,政治を絡めながらどこまでも「救う」ことに主眼を置いているあたりはいかにも
小川一水だなあ,と.作者の SF に比べると多少の物足りなさは感じるものの悪くない作品でした.