葉村哲 『この広い世界にふたりぼっち』 （MF文庫J）

この広い世界にふたりぼっち (MF文庫J)

第 4 回 MF文庫J ライトノベル新人賞佳作受賞作．学校からの帰り道，黒い少女は白い狼に求婚された．はみ出しものの狼と周囲に馴染めない少女は互いに寄り添い生きていく．
タイトルから受ける印象そのまんまの雰囲気．お話はやがて神話へとつながっていく．一定の，飄々といえるトーンで綴られる文章は悪くないと思うんだけど，それに乗せられる道具立てや唐突に広がるストーリーには乗り切れなかった．二人だけでおｋ，周囲の夾雑物は排除する．内向きベクトルが強いのが気に食わない．似た系統の話はそこそこ読んできたつもりだけどこれはいまいち受け付けなかった．おおむね評判はいいみたいだしどこがとくべつ悪いということではないんだけど，たぶん紙一重で．