本保智 『多次元交差点と月の姫さま。』 （スニーカー文庫）

多次元交差点と月の姫さま。 (角川スニーカー文庫)

多次元交差点に存在する各次元の交流所，時狭間ホテルに"月"の次期女王と少年従者がやってきた．超 VIP として丁重におもてなしする従業員一同だったが，滞在中のロイヤルスイートで爆弾騒ぎが発生しててんやわんや．
ドタバタホテルコメディ二弾．ボケとツッコミの安定して高いテンションと，最初から最後まで一貫した「人生は一度きり」の挫けない姿勢がいい感じ．それにプラスしょもないギャグひとつでキャラクターを掘り下げつつ話を一本作ろうという心意気は高く買いたい．あざといっちゃあざといんで鼻につくひともいるだろうけど，読んでて悪い気はしなかった．ストーリーが二巻目で早くも定型パターンに入っているっぽいとか，この流れならバトルはいらないだろ，とか気になることもいくつかあるけど，一巻の感想でも書いたように前向きで元気な女の子はそこにいるだけでもいいものなのです．願わくばこの姿勢を維持したままラストまで駆け抜けてくれることを．気が早いですか．