- 作者: 小柳粒男,長月みそか
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/09/02
- メディア: 単行本
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
『くうそうノンフィク日和』の後日談.前作がおっさん臭さと青臭さを同居させたような変な雰囲気を纏ったハードボイルドだったのに対して,こちらは真っ当な(?)殺し合いの話.ぼやかし気味にされていた異世界の様子もはっきりと描かれ,意図的な方向転換を目指している印象を受けた.前作を下地に敷いてはいるものの,ストーリーらしいストーリーはこれといって無い.町が二派に分かれて殺し合う,憎らしいから復讐するという,それだけの話.ではあるものの,フィクションの中でそれをやられると妙に理不尽で理屈抜きなモノに見えるから不思議.銃と剣と死体はそれこそ大量に出てくるとはいえ殺しの描写に力を入れるでなく,B 級スプラッタを志向している訳でもなく,前作とはまた違った意味で変な話であることは間違いないと思う.