カラクリ荘の異人たち 2 ~お月さんいくつ、十三ななつ~ (GA文庫)
- 作者: 霜島ケイ,ミギー
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2008/08/15
- メディア: 文庫
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (29件) を見る
「どうしてか知らないけど、もしかして自分のことを好きな人間は誰もいないって思ってる? だからいつも一人でいるの?」
カラクリ荘の異人たち 2 ~お月さんいくつ、十三ななつ~ (GA文庫) - はてなキーワード
(中略)
「いい? あのね、そんなこと絶対にないんだよ!」
並んで歩きながら、采菜は大きな目で真っ直ぐ、睨むように太一を見ていた。
「だって地球には今、六十六億人も人間がいるんだよ。そんだけ人口がいて、その人のことを好きになる人間が一人もいないなんて、ぜっったいにない! 確率的にありえない! 日本だけでも、一億二千万人も人がいるんだからね!」
互いが互いを心配する,思いやる.ウザいほど積極的で住人たちのその関係は友人というのとも,家族とも違ったもののように見える.この世界では"お人好し"の意味するところはぜんぜん違ったものなのかもしれないね.中秋の時期に町に現れる"薄売り"にあちこちに咲く彼岸花などに彩られた異世界の空気は濃厚,それにあてられた頭にもっと濃厚な,いろいろな形をしたヒトの想いがぶわーっと波のように押し寄せてくる.人心に酔う,ってこんな感じを言うのかね.