石川ユウヤ 『ミサキの一発逆転!』 (MF文庫J)

ミサキの一発逆転! (MF文庫J)

ミサキの一発逆転! (MF文庫J)

第 4 回 MF文庫J ライトノベル新人賞審査員特別賞受賞.犬吠ミサキはエリート音楽学院に通う普通の女子高生.ある日,学院中の肖像画がすべて切り裂かれる事件が発生,犯人の疑いを受けた親友のキリカを守るため,真犯人捜しを開始するミサキだった.
片や軟派でミステリアスな,片や不器用で融通の利かない二人の美少年(ライバル同士)に挟まれつの学園探査,そして異能バトル.作者は清水マリコ絶賛の「オトメン」らしいのだけど,なるほどいかにも少女小説的な,もしくは一昔前の少女漫画チックなストーリー運び.あまりにもコッテコテなキャラクター造型は読んでいるこっちが恥ずかしくなるわぁ.そんな男どもに比べると主人公でヒロインのミサキの個性付けがあまりに強引,でもって影が薄いのが不憫.いや男二人も強引っちゃ強引なんだけど,キャラクターとしては完成しているんで,読むうえで不都合は感じなかった.「そういうもの」だと思って読む分にはいいのかも分からんけどどっちかというとぎこちないテキスト運びもあわせてちぐはぐな印象が強い.レーベルが違えば(=違った心構えで読めば)また評価も違ったかもしれない,のかな?