日日日 『ギロチンマシン中村奈々子 大人社会編』 （徳間デュアル文庫）

ギロチンマシン中村奈々子―大人社会編 (徳間デュアル文庫)

「髪長いほうが可愛いよ」
「髪が短い僕も可愛いよ」
奈々子は真顔で宣言した。
「おデブになっても、お婆ちゃんになっても、僕は可愛いよ」
すごい自信だった。

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少しずつ明らかにされるこの世界の成り立ちと，そこに存在していた人類の真の敵．ストーリー進行は一旦休止，過去の因縁をつらつらと掘り下げつつ物語は収束に向かっていく？　叙述というにはちと性急に，伏せられていた事実が読者に対して告げられていく．

良かったところ

• 人間を追い詰める側にいたはずのロボットが知らぬ間に逆に追い詰められていたという構図は『ゴールデン・フリース』のようで興味深く読んだ．
• 水中を泳ぐ○女（いちおう伏せ字）はビジュアル的に脳に直接クる．この場面にはイラストは蛇足．

悪かったところ

• 「アンダカ」よりは話運びはまだスムースではあるんだけど，伏線も引いていない（よね？）場所から唐突に「事実」が引き出されるのはあまり気分がいいものではない．

ってことで愛憎半ば．